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読売新聞の過去記事「子供のニュースウイークリー」2008年12月16日記事より・・・解説を兼ねて。
改正国籍法が成立
日本の国籍(こくせき)を得(え)られる条件などを定めた国籍法が5日、改正されました。
これまで、日本人の父親と外国人の母親から生まれた子供の場合、
両親が結婚していないなどの理由で、日本国籍を認められないケースがありましたが、
年明け(2009年)にも改正法がスタートし、今後は、日本人として暮らしていける子供が増えそうです。
日本の国籍を持っている人は日本国民で、一般的に日本人と呼ばれます。
日本国籍がないと、選挙に立候補(りっこうほ)したり、投票したりできないほか、警察官などの一部の職業(しょくぎょう)にもつけません。
親の国籍を重視
国籍を得られる条件は、国によって違(ちが)います。
海外からの移住者(いじゅうしゃ)が多いアメリカやブラジルでは、
国内で生まれれば両親が外国人でも国籍を得られますが、日本の場合は親の国籍を重視(じゅうし)します。
両親が日本人なら、子供も日本人です。
もし父親が外国人でも、母親が日本人なら、生まれた子供も日本国籍を得られます。
母親は赤ちゃんを妊娠(にんしん)し、出産するので、親子のつながりが分かりやすいからです。
しかし、母親が外国人で、父親が日本人の場合は複雑(ふくざつ)で、様々な条件がつけられていました。
その一つが、「父母の結婚」で、父母が結婚していれば、子供も日本国籍が認められました。
また、結婚していなくても、子供が生まれる前に父親が「自分の子だ」と役所に届(とど)け出をすれば、日本国籍を得られることになっていました。
しかし、出産後は、いくら父親が届け出をしても、両親が結婚しない限り、日本国籍を得られませんでした。
数万人に希望
こうした中、日本人の父とフィリピン人の母を持つフィリピン国籍の子供10人が、日本国籍を求める裁判を起こしました。
そして2008年6月4日、最高裁判所(さいこうさいばんしょ)は、
国籍法の決まりは憲法違反(けんぽういはん)であり、父母が結婚していないからという理由で国籍を与えないのは差別(さべつ)だと判断したのです。
こうした判断の背景(はいけい)には、
日本人と外国人の国際結婚が増えたり、
婚姻届(こんいんとどけ)を役所に提出(ていしゅつ)しない「事実婚(じじつこん)」が増えたりして、
家族の形が多様(たよう)になったことがあります。
訴(うった)えを起こした子供たちと同様(どうよう)に日本国籍を得られない子供は日本に数万人いるとみられています。
最高裁の判決は、そうした子供たちに希望(きぼう)を与えるものでした。
判決を受けて、政府は、父母が結婚しているかどうかを条件にしないよう、国籍法を改正する手続きを進めてきました。
2009年度には、父母が結婚していなくても父親が認知すれば日本国籍が取得(しゅとく)できるようになる見通しです。
不正取得が心配
ただ、今回の法改正によって、本当は子供と無関係なのに、国籍を不正に取得させようと「父親だ」とウソをつく人が出てくるのではないかと心配されています。
そんなことがないように、法務省(ほうむしょう)では、
父親に聞き取り調査を行ったり、父子が一緒(いっしょ)の写真を提出してもらったりして、審査(しんさ)を厳(きび)しくする考えです。
国籍を得られないことによる一番の被害者(ひがいしゃ)は、子供です。大人の都合(つごう)で、子供が困(こま)ることがないような仕組(しく)みが大切です。
(2008年12月16日 読売新聞)
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